片恋

奥突き上げられんの好きなんだ、言ったら彼にしては珍しくきょとんとした顔したからちょっと笑えた。

「ヤッてる時の話ー」

そんでもって氷音のだったら奥まで届きそうでいいな、なんて盗み見したモノを思い出してみたり。トイレで横にいるとさ、見えちゃってほんとドキドキする。なぁんて事はまだ秘密だけど。

「あーお前突っ込まれる方だからか。」

そうそう!
いつか話した話を覚えてくれてたのねー

「ネコだもんっ!にゃんにゃーん」

嬉しくて手もつけて言ったら微妙な顔されちゃった。やぁんっ
初対面があれだったけど、ぶっちゃけオレと氷音はまだヤってなかったりする。更に驚いた事に氷音は男とセフレになるのって初めてなんだって。ほんとびっくり。
だからちょいちょいこんな話題だして様子伺いしてるんだけど、今回も微妙な反応かなー?

正しく氷みたいな視線に見悶えていると、スッと彼の目が遠い何か考えるように細められた。そんでもってオレはなんだかんだ近くにいるから気づいてしまう。その目が普段より優しいって。

あー…もう………
きっと思い出してるんだろうな。なんだかちょっと面白くない。

「でも誰でも後ろで気持ち良くなれちゃうわけじゃ無いんだからねっ!才能なんだからねっ!」

「ふーん…」

「ちなみにオレはとっても気持ち良くなれちゃうし相手も気持ち良くできる名器なのだっ」

「……」

ドヤ顔で言ったけど、氷音はそれきり興味を無くしたのか携帯をいじり始める。だから、弟くんにその才能があるかなんてわかんないよ、なんて残念ながら言えなかった。

氷音にひっつくようになって分かったのは、思ってた以上にコイツが人間関係に冷めてるって事。 友達は多いけど、どのグループでも一線引いてる感じだし、恋人って言ったってコロコロ代わる上に何人同時?って事もしょっちゅうだ。たぶん言い寄られる奴ら皆にOkしてるんだろなって思う。それは付き合うって言うよりは流されるままセックスで接待してるように見える。
そんな彼が唯一表情を崩すのは彼の弟くん関連だけ。唯一だよ?もしかしたら自分でも気づいてないかもしれない。でもオレはすぐ分かっちゃった。オレは男を好きになる男だから。

「好き、なのかなー…」

分かりやすく呟いたのに氷音はスルー。あーぁ、ホント嫌になる。



 俺が好きになる奴はみんな俺を好きじゃないんだから。

 

★ニューラ♂ 梅しそ マニューラ♂氷音